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プラチナマイスターな人(1)

(上の写真:e-learning中の児童と左から塾長の渋谷さん、安部さん、平尾さん)

長野市 平尾勇さん(株式会社地域経営プラチナ研究所) 
    安部映樹さん(駅前テラス)

POINT①退職直後に経験豊富な分野で起業
②学校外での教育に大きなビジネスチャンス
③活動の最終目標は地域の活性化

長野駅から南に二つ目の篠ノ井線川中島駅。古戦場の名を冠した駅の周辺は、多くの地方のまちと同様、高齢化の進行や商店街の退潮により活気が失われてきています。地域の衰退は概して複合的な要因が絡んでいるため短期間で回復させることは非常に難しいのですが、ここ川中島町では、豊かな経験と知恵を有するミドルが、社会課題を一つずつ解決すべく、地域を巻き込んだ活動を展開しています。

その一人、平尾勇さんは、地元の金融機関や金融系シンクタンクに勤めたのち、松本市商工観光部長として活躍。退職後は、自ら株式会社を設立。地域経済や観光の振興、地方自治体のコンサルティングを手掛けるほか、2018年10月には、川中島住民自治協議会のメンバーの一人として、「川中島の桃のブランド化」「川中島版健康寿命延伸プロジェクト」などの検討を開始しています。

川中島白桃は上質な果実として長野、山梨、福島等で栽培されていますが、1960年代に、川中島町の篤農家が品種改良し平尾さんのお父さんが経営していた市場に出荷したのが始まりとされています。平尾さんは、「改良者がこの品種を独占せずに広く栽培されているのは素晴らしいが、東京の市場に出回るのは他県産が多く、流通システムの関係から長野県産は関西向けが中心。発祥の地川中島町の桃については、ブランド価値を高め東京への出荷を目指したい。」との強い意気込みです。

使われなくなっていた平尾さん所有の市場を改装して、2018年4月に 『駅前テラス』を立ち上げた人が安部映樹さんです。駅前テラスは、学習塾「学び舎 かなえ」 café「和 なごみ」 朝市「駅前マルシェ」の三つの空間で構成。

元市場の建物。2階が学習塾、1階がカフェとマルシェの場所

設立当初から、(学習塾→cafeにて塾の子ども達の夕食の提供と地元の高齢者やサークルなどの集いの場→地野菜などを並べた朝市→高齢者の集う場→野菜はカフェでも使用→高齢者と子供たちのふれあいの場→川中島の活性化) の明確なストーリーのもとで、状況に左右されない運営を心掛けています。

開始後1年間の経営成績は良好。学習塾はe-learningに特化することで集団塾とは明確な違いを打ち出しました。現在塾生は100名超。それぞれの学力に合わせて、ひとりひとりが自分だけの学習プログラムを進めていくため、確実な学力アップができると、地域でも評判になっているようです。自分のペースで学習を進められるので、不登校や学習障害の子供達にも適しています。また「バーベキュー大会」や「稲刈りの手伝い」「餅つき大会」など、地域の方々と一緒にイベントを開催、多世代交流の場ともなっているようです。

にぎわう駅前マルシェ

にぎわう駅前マルシェ

歌声喫茶の様子

歌声喫茶の様子

自分の畑で作った農作物や花々を持ち寄って、週2回開催されるマルシェ。1年目(8ヶ月間)に足を運ばれた人は3000人強。買い物ついでにカフェでお茶を飲みながら交流していく姿が、たくさん見られました。

カフェでは月に数回「歌声喫茶」も開催。毎回20名程の地元の方々が集まって、みんなで一緒に歌うことを楽しまれています。また地元アーチストによるライブ演奏会では50名以上が集まり、満員御礼でした。地元作家によるアクセサリー作りにも、多くの女性が体験にいらしています。

安部さんは、大学卒業後、飯田市で教員勤務をスタート、その後出版社を立ち上げるなど多くの分野で活躍、現在は駅前テラスの経営に専念しています。もともと教員であったことから教育には強い思いをお持ちで、学習塾には最初に勤務した中学校の名を付けました。「今は、e-learningを含め様々な場所や手段で、一人一人に合った学びを提供することが可能です。今後も、前例にとらわれることなく、子ども達や地域の方々のことを第一に考えた場所づくりを行っていきたい。」とのこと。今年4月1日、すぐ近くに大人向けのカルチャースクールと高校生の学習塾を開校。日中は「習字」「お茶」「生け花」等の大人の学びや、「映画上映会」「スポーツ観戦」等多くの人々が集う場、夜は高校生が学ぶ場となります。

園児から高齢者まで、地域のあらゆる世代の人々が集う場所にますますなってきています。

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