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第11回 ソーシャルデザイン(第2期) 開催報告

2020年1月16日
第11回は、一般社団法人Think the Earthの上田壮一講師を迎え、「ソーシャルデザイン」というテーマで講義いただきました。

上田 壮一氏
一般社団法人Think the Earth 理事
広告代理店勤務を経て、2001年にThink the Earth設立。以来、コミュニケーションを通じて環境や社会について考え、行動するきっかけづくりを続けている。主な仕事に地球時計wn-1、携帯アプリ「live earth」、プラネタリウム映像「いきものがたり」、書籍『百年の愚行』『1秒の世界』ほか多数。2017年に「SDGs for School」プロジェクトをスタートし、2018年に『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』を出版。グッドデザイン賞審査委員(2015-2017)、多摩美術大学客員教授。

デザインという言葉を聞いて、あなたが思う浮かべるのは何ですか?
デザイン性に優れた車、素敵なデザインの洋服、デザイナーズマンション、インテリアデザイナー。多くの場合、デザインという言葉の近くには見て手に取れるモノが存在します。
では、ソーシャルデザインとはなんでしょう

コンテンツ

未来は自分でつくりだすもの

講義の冒頭で上田講師は「未来はいつかやってくるものではなく、自分で作り出すものです」とお話しされました。講義を終え振り返った今、冒頭のこの言葉こそが講義の結論であり、要旨であることがわかります。
90分の講義では、様々なソーシャルデザインの事例を紹介するとともに、それぞれの事例において発想を転換するポイントとなったものが何であるかを解説していただきました。受講生は「ソーシャルデザインって何?」という問いを、単なる言葉の定義ではなく、包括的なイメージとして捉えることができたのではないかと思います。
以下、その一例を紹介します。

SDGsのソーシャルデザイン

以下の文面は、SDGs17のゴールです。もし国連が以下のような形でSDGsを発表していたとしたら、これほどまで世の中に浸透したでしょうか。

目標01 あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
目標02 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
目標03 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
目標04 すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
目標05 ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
目標06 すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
目標07 すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標08 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
目標09 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
目標10 各国内及び各国間の不平等を是正する。
目標11 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
目標12 持続可能な生産消費形態を確保する。
目標13 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
目標14 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
目標15 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
目標16 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
目標17 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

決議自体は素晴らしい内容ですが、ここまで社会に浸透し、共有されることはなかったでしょう。

(国連広報センターhttps://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/)

SDGsの発表に際しては「プロジェクト・エブリワン」と呼ばれるプロジェクトが同時進行していました。この計画では「発表後の7日間で、70億人とグローバル・ゴールを共有する」という単純ながら壮大な目標を掲げていました。
70億人の中には当然、字が読めない人も存在します。また、字が読めたとしても、そこに書いているのが難解な目標であったとすれば、そのメッセージを受け取った人がどう行動すれば良いかわかりません。
SDGsを世界に広め、かつそれを受け取った人に行動変移を起こすため、デザイナーのトロールベック氏は平易な言葉での表現世界中の誰が見ても連想が可能なアイコンをデザインしました。この結果、SDGsは言葉や文化の垣根を超え、「コミュニケーション・ツール」として世界で共有されています。

以上の通りSDGsは、全世界で社会課題を共有し、かつそれぞれの立場から行う活動をシェアできるツールとしてのソーシャルデザインがなされていることがわかります。

伝える手段ではなく、伝わる方法を考える

講義の中で特に印象的だったのが、上記の言葉です。
社会課題解決によらず、私達が何かを人に伝える時には、ついつい多くの言葉を以て伝えたくなりがちです。そして、それは時に強過ぎる言葉となって表出し、別の印象を与えてしまうことになります。
ソーシャルでは、言葉で伝えない方法を考えることも大切です。」と上田講師は語っていらっしゃいました。
社会課題では、多くの場合その課題に苛まれ、怒りを感じている方がいます。それを怒っている人だけが参加する反対運動から、誰もが参加できる賛成運動にしていくことでより多くの共感と助力を得られるのです、というお話には、これから最終課題に望む受講者にとって、とても良いヒントになったのではないかと感じます。

次回は、株式会社アイスタイルの山田メユミ講師を迎え、最終発表に向けたプレ・プレゼンを行い、それぞれのプランに対し講評をいただきます。また、その後「事業構想」をテーマに講義いただきます。

お知らせ

当講座では、ご興味を持たれた方の見学・体験を随時募集しています。
ご希望の方は、下記フォームよりお申し込みください。

  • 参加費は無料です。
  • 運営の都合上、申込者1名につき1回のみ参加となっております。
  • 参加人数によってはグループワークへの参加ができない場合があります。予めご了承ください。
  • 学校施設につき入場は18:30以降にお願いします。
  • 当日の写真撮影・録音は固くお断りします。





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